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展覧会予告「修復のお仕事展’17~伝えるもの・想い~」

10月に谷根千界隈で行われる芸工展というイベントに合わせて文化財保存修復の技術者が毎年開催している「修復のお仕事展」に、ここ数年、フリーランスの学芸員として参加しています。
2017年度の開催概要は

会場:旧・平櫛田中邸アトリエ、入場無料
   (台東区上野桜木2-20-3)
開催期間:10月8日(日)~15日(日)
開場時間:11時~17時(最終日は16時まで)

この展覧会は毎年共通テーマを決めているのですが、今年は「裏」をテーマに、書画・油絵・染織・埋蔵文化財等、様々な分野の修復技術を紹介する予定です。私自身は修復技術者ではありませんが、展示の全体とりまとめ的な立場での参加です。

修復が必要な文化財はなにも重要文化財や国宝級のものばかりではありません。個人コレクションや古い写真や書籍、ご先祖様が書いた絵、等々、ご家庭にあるものもれっきとした修復対象ですので、文化財修復を身近に感じていただけると思います。
通常非公開の平櫛田中邸を見学することもできますし、周辺のお店でも芸工展のイベントをしているので、谷根千散策ついでにご覧いただければ幸いです。

会場が個人宅だった場所なのでちょっとわかりにくいですが、根津駅から言問通りを谷中霊園方面にずっと上がって上野桜木二丁目の交差点を左折。パティシエ・イナムラショウゾウの前を通り過ぎて最初の道を左折、少し行くと芸工展の看板が出ているはずですので、路地に入ったところが平櫛田中邸です。鶯谷駅からも行けますが、わかりにくいので割愛。Googleマップでも「平櫛田中邸」で出てきます。
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by kyougen-kigyo | 2017-09-16 10:55 | 展覧会

展覧会3つ

21日から始まった、静嘉堂文庫美術館の「超日本刀入門」展を見に行かねば。と思って、根津美術館の伊万里焼と、銀座三越のギャラリーで開催されている河内國平一門展も併せて行ってきました。

静嘉堂、安定の良さ。学生時代、刀にはまってまだ数年の頃、ここの手掻包永が好きで静嘉堂の刀の展示には必ず行きました。以前は刀の展示といえば年配の男性ばかりで、女が入ると変な顔をされたのが懐かしい。とある刀剣専門の美術館の受付で、刀しかありませんよ?と念を押されたこともありました。本当に刀を見に来たんだとわかると親切にいろいろ教えてくださったものです。今は老若男女、刀剣を見る層が広がっている感じがしますが、静嘉堂には刀剣女子っぽい若者はいませんでした。多分、ゲームに出てくる刀が無いのでしょう。静嘉堂のコレクションは肩書きよりも質重視の手堅い印象を受けます。安心して見ていられるというか。そして所蔵品だけで歴史や五ヶ伝を解説できてしまう幅広さ。今回の展示では、展示品の下に押形を置いて刃文や地鉄の見所を解説するという手法でした。文章キャプションでは説明しきれない部分を図示できるので、わかりやすいですね。さりげなく重要文化財「平治物語絵巻」の実物が出ている…のにケースの周りに誰もいないのでじっくり見ることができますよ。ちなみに図録は無くて、500円の小冊子が販売されています。岩崎彌之助さんの身を守ったという助広の刀の写真は冊子には載っていないんですね。静嘉堂にとっては大切な刀なのですから小さくでも載せるべきでは…と余計なお世話ながら思いました。

次に行ったのが根津美術館の「染付誕生400年」展。日本で磁器が誕生して400年、ということで昨年、有田でもいろいろイベントがあったようですが、今回の根津美術館の展示は初期伊万里から輸出伊万里まで、伊万里焼の歴史を概観できるようになっていました。伊万里焼は基本、食器なので、展示ケースに飾っておくよりも使ってみたい感じです(実際、使用痕も見えます)。庭園の茶室の方では現代作家さんの作品も展示されていました。2階展示室には季節物で「百椿図」が出ています。百椿図の中に、日記にたくさんの陶磁器の記述を残したことで知られている鹿苑寺の鳳林承章の賛を見つけました。鳳林承章の『隔蓂記』は人間味に溢れた日記でけっこう好きです。

最後に三越銀座店、7階ギャラリーで1月24日まで開催の河内國平一門展「光─現代刀」を拝見。明るい印象の備前伝には「光」という言葉が合いますね。綺麗な丁子の現代刀で一日を締めくくることができました。


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by kyougen-kigyo | 2017-01-23 20:42 | 展覧会

始皇帝と大兵馬俑展行ってきました。

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

平成28年最初の展覧会は東京国立博物館の「始皇帝と大兵馬俑展」。中だるみなのか、わりとすいていました。展示は兵馬俑だけでなく戦国時代の1国に過ぎなかった秦から始まっていて、前半部分も面白いです。私は歴史好きなくせに日本の戦国時代にはまったことがない(日本史は鎌倉時代が好き)、戦国時代と聞くと紀元前を思い浮かべてしまうという人間なので、青銅器とか玉とか結構好きなのです。玉器の展示の脇に玉の原石を触れるコーナーがあったり、帯鉤(ベルトのバックルのようなもの)の展示のそばにマネキンを使って帯鉤をどうやって使ったかを説明してあったりと、モノを並べるだけではない工夫も見られました。

兵馬俑の方は、当時の戦車は乗るのが難しかったらしいので、銅車馬の複製が来ていたので構造を見てきました。確かに、人が2人並んで立てるだけのスペースしかなく、バランスをとって乗っているだけでも難しいかも。座るスペースはないから立ちっぱなしだし。銅車馬は始皇帝の巡行用ですが、戦車となれば荒っぽい動きをするのでしょうし、それで馬を2頭または4頭御さなければいけない御者は大変。御者の俑も展示されていて、官位は高かったと思われるというようなことが書いてありましたが、そういう理由からでしょうか。
最後に複製の兵馬俑撮影コーナーがありました。
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ちなみに今回は『呂氏春秋』片手に東博に行ってました。秦の相国だった人が編者で、当時流布していた諸説を集めたものだそうで、いろんなことが書いてある書物ですが、個人的には「天下非一人之天下也、天下之天下也」が一番すごいかな、と思っています。この言葉は兵書『六韜』に何度も出てくるので、そちらの方が有名でしょうか。『六韜』の成立時期が不明なのでどちらが先かはわかりませんが、戦国時代~秦の時代にはこんな言葉があったということです。

なお、東洋館には秦よりずっと前、商とか周の時代の青銅器も展示されていますが、展示室には人っ子一人いませんでした。東洋館はいつもそうですが。
本館、最近非常に賑わっているらしい刀剣展示室の様子も覗いてきましたが、平日ということなのか、人気があるという三日月が出ていないからなのか、すいていました。志津兼氏、いいなぁ。
金工展示室は展示ケース全部、動物の形の水滴が並んでいてかわいかったです。こちらも一見の価値あり。
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by kyougen-kigyo | 2016-01-08 21:18 | 展覧会

栄西と建仁寺展

昨日、仕事帰りに東博の「栄西と建仁寺展」見てきました。夜は空いてていいですね。
なかなか気合の入った展示でした。入ってすぐに教科書にも掲載されている栄西禅師の木像。次に建仁寺方丈の四頭茶会の場を再現したコーナー。映像で茶会の様子も放映していたのでわかりやすかった、客が抹茶の粉入りの天目を手に持ち、僧が左手で湯を注ぎ右手で茶を点てる古式。相伴客の茶を点てるのは立ったままでそれをやるんだから、難しそう。客の方も緊張するでしょうね、これは。
再現された方丈を見て「おお、君台観左右帳記!」と思ってしまいました。三幅の掛軸、折卓に胡銅の燭台・花瓶・香炉の三具足。すぐ向かいのケースには、龍泉窯の花瓶や香炉。油滴(九博所蔵品)や鼈盞(三井記念所蔵品)も展示されています。唐物好みの時代の風景です。

ずっと進んで絵画の展示室、今回のメインは展示の最後にあった風神雷神のようですが、個人的には海北友松の七賢図や迫力ある龍の図の方が印象に残りました。しかし龍の髭がどうしてもナマズの髭に見えてしまうのは私だけ? 絶対ナマズを観察して描いてると思うんですが。角の質感は鹿角かな。

妙光寺「印金堂裂帖」も興味深く拝見。なぜこれに気を惹かれたかというと以前、「町人考見録」を調べた時に出てきたのを覚えていたから。糸屋十右衛門の項に、

  西鳴滝に禅院を建立す。今の妙光寺是也。其寺院の内に人麿の尊像を安置し、一宇を立、人丸堂と
  いふ。彼堂の内陣を印金を以て張る。世に鳴滝印金といふ。
                         (岩波書店『日本思想大系59 近世町人思想』所収)

とある、まさにその印金ではないですか。文章だけでは想像しきれなかった実物が目の前にある、というのは感慨深いことです。

「建仁寺ゆかりの名宝」コーナーでは胡銅の三具足、燭台の獅子がなんとも可愛い。狩野派に等伯、蕭白、若冲、芦雪と錚々たるメンバーの絵画を見て、ちょっと異色なのが長崎伝来、清時代の涅槃図。中国絵画にお馴染みの吉祥図案がてんこ盛りでやたらめでたい、中央のお釈迦様も福々しいし集まってる人も何だか楽しそうだ…不思議な涅槃図でした。
奥田潁川、仁阿弥道八の作品群も良かった(エイセンは変換するのにドウハチは変換しないんですね、Windowsにも何か贔屓があるのか?)。道八の山羊の手焙り、いいなぁ。

東博に限らず年々、図録が分厚くなっていくのはどうなんでしょう、内容が充実するのは嬉しいのですが本棚が限界…
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by kyougen-kigyo | 2014-04-19 11:54 | 展覧会

展覧会3つ

今日は展覧会巡り。

朝いちで根津美術館の「清麿」展へ。日本刀は好きなんですが、古刀からいきなり現代刀にはまってしまったので、実は新刀・新々刀は苦手分野。清麿についても「四ツ谷正宗」と呼ばれていたこと、40代で自殺してしまったことくらいしか知らなかったのですが、一番人気といわれるだけのことはありますね。気迫というか。相州伝のイメージでしたが丁子もかなりあるのですねぇ。姿も大切先、華やかで現代人好みなのかもしれません。
最近は、刀の展示もライティングがしっかりしていて(照明器具に良いものが出ているせいでもある)、地鉄や刃文がちゃんと見えます。昔はギラギラと反射するばかりのひどい展示もありましたが…今回の展示ではケースから50センチくらい離れると刃文がきれいに見えてくる、離れると全体の姿も目に入るので、刃文と姿をバランスよく見られるようにという意図をもったライティングだったのかもしれません。もっとも見え方は背の高さにもよるのですが。
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次に行ったのが太田記念美術館。天気も良かったので根津美術館から歩きました。原宿まで来たら人出のすごいこと…土曜日だということを忘れていました。長い行列が何かと思えばポップコーン…ポップコーン買うために行列する心理が私には理解不能…まぁ、向こうから見たら刀だ浮世絵だ仏像だと歩き回る人の方が理解不能なのかもしれませんが。
太田記念は、明日までの「追憶の広重─浮世絵歴史散歩」展。江戸百景図などを、現在の写真や地図と併せて展示。江戸城のお濠は形がよく残っているのですね。江戸見坂などは見る影もありませんが。以前、大倉集古館へ行ったついでにあの辺を歩き回った時に「江戸見坂」という標示を見つけて、ここから江戸が見渡せたのかな?と思ったことがあったのですが、広重がちゃんと描いていました。それと三代広重の初出展資料は、口蓋癌の手術をした時の様子を知人に伝えた手紙など。深刻な内容のはずなのに診察されてる自分の絵を添えたり、狂歌にしたり。面白そうな人だ、と思う。祝いビラなども保存状態がとても良い。

太田記念の後は、東京藝術大学美術館の「観音の里の祈りとくらし展─びわ湖・長浜のホトケたち─」。滋賀県は奈良や京都に負けず古い神社仏閣が多くて興味のあるところなので、見てきました。ほとんどが平安仏。「地元の住民に守られてきた仏である」というのが展示の主眼のようで、今も信仰として生きているのがよくわかります。戦国時代も乗り越えて、寺が廃寺になっても無住になっても、住民の力で守られてきた仏像たち。観音像というのは厳しい表情のものもありますが、今回の展示で拝見した仏像たちはいずれもとても穏やかな御顔だったのが印象的でした。普段、仏像も鎌倉~室町期の、しかも険しい顔した明王系が好みなもので(ちなみに一番好きなのは吉野如意輪寺の蔵王権現です。蔵王権現をホトケと呼んで良いのかどうかは難しい所ですが)。長浜市共催なので図録には地図やモデルコースも掲載されていました。琵琶湖、南側は行ったことがありますが北側はまだ行ったことのない土地。行ってみたくなりました。
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by kyougen-kigyo | 2014-03-22 18:52 | 展覧会

先週の話の続き。

五島美術館の光悦展、図録を読みました。あんまりここで内容を書いてしまうわけにもいかないので、世間に出回っている「光悦=天才芸術家」イメージや「古田織部への傾倒」イメージに一石を投じるものである、とだけ言っておきましょうか。今後の研究の展開が面白そうです。しかし系図というのは、ややこしい…
私はまた光悦から脱線して『隔蓂記』の史料を見てしまったりしていますが。日記の著者の鳳林承章、膳所焼は贈答に使ったり注文で購入したりと、かなりお好みだったようです。当時の流行でもあったのでしょう。『隔蓂記』の蓂(メイ)はPCだと出ますが携帯だと文字化けしているようですね。「草かんむりに冥」です。ちなみに蓂というのは『十八史略』に出てくる「十五日以前日生一葉。以後日落一葉。月小尽則一葉厭而不落。名曰蓂莢。観之以知旬朔。」から来ているようです。

伊万里大皿の使用法についても国会図書館や都立図書館のデジタル化資料を眺めていたのですが、全部を見たわけではないし浮世絵が現実を描写しているとは限らないので「懐石用の膳の上に大皿」皆無とは言えませんが、やはり大型の盆や卓に載せるのが一般的だと思います。国会図書館、転載は許可が必要ですが資料画像へリンクをはるのは自由らしいので、例えばこちらのような↓(国立国会図書館デジタル化資料のページが開きます)。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2590557/35
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1302780/2

来週から鎌倉時代に頭の中を戻せるか…?
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by kyougen-kigyo | 2013-12-01 12:38 | 展覧会

行きたい展示が溜まってしっまって…

12月までだからまだ先だー、と油断してたらもうすぐ終わる展示がいくつも出てきてしまった…ので今日は美術館巡り。
まず、五島美術館の「光悦 桃山の古典」。朝一で行ったのですが、行列してて驚きました。光悦ってこんなに人気あるんだ? 家職の刀剣の他に、陶芸、漆工、書、と幅の広い人だから各ジャンルで人が集まるんでしょう。第1展示室の取っ付きに展示されていた黒楽茶碗「時雨」、存在感あります。赤楽も見る角度で表情が違って面白いですね。って茶の湯の経験もないのに偉そうなことを書いていますが。膳所焼も数点。確か『隔蓂記』の鳳林和尚が膳所焼、けっこうこだわってましたっけ。時代も重なるし、数寄者同士、接点は?と思って図録の年表見てたら鹿苑寺と本阿弥家、境界争いしてました…そういう接点ね…。展示の話に戻って、刀剣は1口、金象嵌銘の関係で「北野江」が出品されていました。光悦の孫が造ったという光悦木像も。耳が大きくて恰幅の良い人物像。福耳だったのかな。図録の論考が面白いと聞いているので、これからじっくり読みます。

次に向かったのが太田記念美術館「笑う浮世絵」。戯画を集めた展覧会です。絵の題材としては他愛もない戯画なんですが、あれだけ並ぶと見応えあります。戯画といえどもある程度の知識(芝居とか歴史上の物語とか)がないと笑えない。実は風刺画になっていたりもしますし。個人的に一番笑えたのはポスターにもなっていた「とうもろこしの石橋」でした。これも歌舞伎舞踊や能の「石橋」を知らないとわからない。

次、泉屋博古館分館の「伊万里染付の美」、径50センチを超える伊万里の大皿がずらり、という展示。この展示作業は重労働だ…ちょっと気になったのが宴席をイメージしたというコーナー、脚付き膳の上に大皿をどんと乗せていましたが、あのサイズの大皿って畳に直置きか、足のない大きい盆に乗っている図が多いと思う。卓袱のテーブルに大皿というのも浮世絵などにはありますが、普通の懐石用膳にあのように重たいものを大幅にはみ出して乗せるというのは一般的だろうか?もう少し絵画資料など調べてみたいと思います。

最後に、上野の森美術館で始まった「エヴァンゲリヲンと日本刀展」、大阪でも行きましたが、今日は川崎刀匠、石田刀匠が会場で銘切り実演をされていました。この展覧会、なんとフランスとスペインへの巡回も決定。すごいですね。来年4月30日~6月21日がパリ日本文化会館、7月5日~9月28日がマドリードABCミュージアム、だそうです。
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by kyougen-kigyo | 2013-11-24 17:54 | 展覧会

大阪歴史博物館、エヴァンゲリヲンと日本刀展

(承前)
大阪2日目は、朝一で大阪歴史博物館へ(9時半開館)。
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朝から暑い。でも博物館の受付はもう人が並んでました。特別展の「エヴァンゲリヲンと日本刀展」に直行する人がほとんどでしたが、中には夏休みで常設展を見に来ている、多分地元の小学生もいて、そういう人も同じ列に並ばなければならないのがちょっとなぁ。と思いました。常設展だけの人用受付を1つ設けると親切なのでは。人手が足りないかもしれませんが。常設展のチケットだけは自販機にするとか。

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by kyougen-kigyo | 2013-08-17 08:55 | 展覧会

三井の大妖怪展

先週、三井記念美術館の大妖怪展に行ってきました。
なかなか力の入った展覧会で見ごたえがありました。個人的に嬉しかったのは「十二類合戦絵巻」が出ていたこと。学生時代、都立図書館で御伽草子の調べ物をすることがあって、室町時代物語大成を読み漁っていた時に期せずして大うけしたのが「獣太平記」、十二支の獣たち=都の貴族と、狸を筆頭とする山の獣たちが合戦をするお話。大成本には絵はなく文章だけですが、あまりに面白くて調べものとは関係なかったのにコピーを取ってしまったくらいです。その「獣太平記」を絵巻にしたのが「十二類合戦絵巻」。剃髪する狸がかわいい・・・
室町時代物語大成(補遺を含めて全15巻)、他にも面白い物語がたくさん収録されています。現在に伝わる狂言と通じるような筋の話も。600年前の話で笑えるんですから人間、変わってないということです。
その他、展示では三井の能面コレクションからいくつか出ていました。氷見の「痩男」、さすがの迫力。何年か前の能面の展覧会の時に氷見の幽霊面シリーズが並んでいて凄かったっけ。おもかげの孫次郎も見たいし、また能面展やらないかな。

そういえば、先日都立中央図書館に行ったら「江戸から伊勢へ 絵図でたどる東海道と伊勢路」という企画展をやっていました。こういう小さい企画展示も、けっこう面白いので好きです。
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by kyougen-kigyo | 2013-07-28 21:50 | 展覧会

静嘉堂の曜変天目

静嘉堂文庫美術館で毎年、この時期に出展される曜変天目(稲葉天目)。何度も見ていますが、招待券をいただいたので今年も行ってきました。しかし帰りに煙霧とかいう現象で埃がすごかった…黄砂かと思いましたが、違うと気象庁から発表があったようで。

さて、曜変天目。日曜日で暖かいとあって美術館はかなりの混雑、主に茶道をされている方々のようでしたが、なぜかメインのはずの曜変天目・油滴天目の周りって、人が少ないんですよね。毎年、不思議に思います。ポスターなどからイメージするより小さくて案外地味だからでしょうか、それとも現代の茶道には馴染まないということでしょうか。

茶道具といえば戦国大名が珍重したのですが、名物唐物が作られた時代はそれよりずっと古い宋~元代のものも多く、今回観てきた曜変天目や油滴天目も南宋時代12~13世紀とされています。日本ではまさに鎌倉時代。でも、鎌倉時代には茶道具に対して「誰それが持っていた茶碗」式な権威付けはまだ見られません。この曜変天目にしても、伝来を見ると「徳川家光が春日の局に下賜した」ところからしか始まっていない。そもそも最初に輸入した人が誰で、どこをどう伝わって徳川家に行ったのかには、静嘉堂の図録などにも触れられていません。

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by kyougen-kigyo | 2013-03-10 17:47 | 展覧会


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by 柴

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