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展覧会3つ

21日から始まった、静嘉堂文庫美術館の「超日本刀入門」展を見に行かねば。と思って、根津美術館の伊万里焼と、銀座三越のギャラリーで開催されている河内國平一門展も併せて行ってきました。

静嘉堂、安定の良さ。学生時代、刀にはまってまだ数年の頃、ここの手掻包永が好きで静嘉堂の刀の展示には必ず行きました。以前は刀の展示といえば年配の男性ばかりで、女が入ると変な顔をされたのが懐かしい。とある刀剣専門の美術館の受付で、刀しかありませんよ?と念を押されたこともありました。本当に刀を見に来たんだとわかると親切にいろいろ教えてくださったものです。今は老若男女、刀剣を見る層が広がっている感じがしますが、静嘉堂には刀剣女子っぽい若者はいませんでした。多分、ゲームに出てくる刀が無いのでしょう。静嘉堂のコレクションは肩書きよりも質重視の手堅い印象を受けます。安心して見ていられるというか。そして所蔵品だけで歴史や五ヶ伝を解説できてしまう幅広さ。今回の展示では、展示品の下に押形を置いて刃文や地鉄の見所を解説するという手法でした。文章キャプションでは説明しきれない部分を図示できるので、わかりやすいですね。さりげなく重要文化財「平治物語絵巻」の実物が出ている…のにケースの周りに誰もいないのでじっくり見ることができますよ。ちなみに図録は無くて、500円の小冊子が販売されています。岩崎彌之助さんの身を守ったという助広の刀の写真は冊子には載っていないんですね。静嘉堂にとっては大切な刀なのですから小さくでも載せるべきでは…と余計なお世話ながら思いました。

次に行ったのが根津美術館の「染付誕生400年」展。日本で磁器が誕生して400年、ということで昨年、有田でもいろいろイベントがあったようですが、今回の根津美術館の展示は初期伊万里から輸出伊万里まで、伊万里焼の歴史を概観できるようになっていました。伊万里焼は基本、食器なので、展示ケースに飾っておくよりも使ってみたい感じです(実際、使用痕も見えます)。庭園の茶室の方では現代作家さんの作品も展示されていました。2階展示室には季節物で「百椿図」が出ています。百椿図の中に、日記にたくさんの陶磁器の記述を残したことで知られている鹿苑寺の鳳林承章の賛を見つけました。鳳林承章の『隔蓂記』は人間味に溢れた日記でけっこう好きです。

最後に三越銀座店、7階ギャラリーで1月24日まで開催の河内國平一門展「光─現代刀」を拝見。明るい印象の備前伝には「光」という言葉が合いますね。綺麗な丁子の現代刀で一日を締めくくることができました。


by kyougen-kigyo | 2017-01-23 20:42 | 展覧会


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by 柴

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